夏の喉の渇き

梅雨明けが早く、毎日暑いですね〜!

(口を開けば皆そう言っている・・)

こう暑いと、外出先で、または家に帰ってきてから、ついつい冷たいものを飲みたくなります。

養生をよく知っている方は、冷たいものはNGということをよくご存じだと思うのですが、それでもつい、夏に喉が渇くと冷たい飲み物に手が伸びてしまうかもしれません。

今日はリクエストがあったので、喉の渇きとそれを癒やすために飲むものについて、書いてみようと思います。

*アーユルヴェーダの用語が出てきます。



消化の火

冷たい飲み物は、アグニ=消化の火を弱めます。

弱ったアグニは未消化なものを生み、ドーシャ(ヴァータ・ピッタ・カパ)を乱し、体力を低下させます。

そして、体温より冷たいものが身体に入ってくると、身体は体温を維持するために余計に熱を起こそうとし、結果、熱を引き込もうとして身体が乾燥する、余計に喉が渇く、という悪循環になってしまうのです。


これは、お酒を飲んだあとにも起こります。

お酒を多量に飲んだ後、夜中に喉が渇いて目が覚めるという経験をした人は、多いのではないでしょうか。

お酒は、その熱により身体を乾燥させるものです。

なので、炎天下でスポーツをした後に“冷たいビール”というのは・・・実は余計に身体の熱を上げててしまうため、喉の渇きは癒えません。むしろ、逆効果・・・。

(美味しいんだけど!)


また、風邪で高熱を出したときには、汗を出すことで熱が下がりますが、このときも熱によって水分が奪われ、「身体が乾燥した状態」となります。


まずは、太陽の熱や運動や、お酒や、夜更かし、辛いものしょっぱいものの食べ過ぎなど、

何らかの原因で過剰に増えた「熱」を冷ます必要があります。

ただし、繰り返しになりますが、熱を冷ます⇒冷たいものを飲むというのはNGですよ!笑


アーユルヴェーダでは、冷性の質を持つハーブを使います。

ここではそのうちのひとつをご紹介。特に有名なのが、コリアンダー水です。



コリアンダー水


水 600cc

コリアンダーシード 小さじ2程度


寝る前にコリアンダーシードを常温の水に浸し、翌日、それを漉して、1日3回200cc程度ずつ飲む


ピッタ体質の方やピッタドーシャが悪化している方、汗をたくさんかくお仕事の方は、もう少し飲んでも良いかもしれません。

これを飲むと、アグニ(消化力)を落とさずに体内の余分な熱を冷ますことができます。

おまけに、整調作用もあります。

コリアンダーはパクチーの別名ですが、パクチーの香りはしません。

むしろ、爽やかな紅茶のようなとても良い香りです。パクチーが苦手な人でも大丈夫!

イライラ、ムカムカ、食べ過ぎたときにもおすすめなのです。

(個人的に、より、ピッタドーシャを下げたいときにこれに自然結晶の氷砂糖を入れたりもします。)


経口補水液

また、汗のかき具合によっては、塩の補給も必要となります。

炎天下の中で身体を動かした時には、経口補水液がおすすめです。

*経口補水液とは、食塩とブドウ糖を混合して、適切な濃度で水に溶かしたものである。

真水の飲用よりも、これを飲用した方が小腸における水分の吸収が円滑に行われるため、主に下痢・嘔吐・発熱・発汗による脱水症状の治療に用いられる。

(Wikipediaより)


塩は、アーユルヴェーダでも全身に素早く拡がるという性質があり、スパイスや薬の吸収を促す大切な役割を果たします。(自然結晶の塩、特にヒマラヤ岩塩がベストです)

我が家では、夏の山登りの時や、高熱が出た時など多量に汗をかいたときは、手作りの経口補水液を作ります。


水 500ml

砂糖 15g〜20g

ヒマラヤ岩塩 小さじ1/4くらい

お好みで レモン汁 大さじ1

*レモン汁は飲みやすくするために入れています。厳密に言えば、アーユルヴェーダでは適度な酸味は水の質を増やすので、渇きを癒やしてくれます。入れすぎ注意。


これまでは高熱が出たときに作っていました。

が、相方さんが汗っかきでものすごく喉が渇きやすい人で、特に山で汗をかいたあとに何を飲んでも渇きが癒えず、冷たい飲み物に走ろうとするので、そんな時にもこれを作ることにしました。

これを500cc飲むと途端に落ち着くのです!



やっぱり消化力

特に運動もしていない、汗もかいていないのに喉が渇いて仕方ない、という場合、やはり消化力が乱れている可能性があります。

そういう場合は、季節を問わず、まずは白湯を飲んでみて下さい。

アーユルヴェーダでは、白湯も立派な薬です。特に、煮詰めた白湯の効能は大きいですが、ここでは簡単なものを紹介します。

冷たい水、ジュース、コーヒーや紅茶など、嗜好品を常に飲んでいる場合は、それをやめて、とにかく、しっかり沸かした白湯を飲みます。

夏でも、現代の冷房が効いた部屋と暑い屋外との温度差は、身体に不安定要素(ヴァータドーシャ)を増やし、消化力が不規則になりやすいです。

思い当たる方は、まずは「白湯」を、喉が渇いたと感じる前に、ちびちびと一日中飲んでみて下さいね。



お手軽な本格白湯

蓋のない鍋かやかんで、お湯を沸かす。(できるだけ“火”を使うこと)

沸騰したら3〜5分そのままグツグツと。

できれば、朝まとめて沸かして、保温ポットに入れておくと良いです。

沸かし直しはせず、都度新しく沸かせるならそうしてください。



終わりに

現代の生活では、汗を多量にかく若者や、炎天下で労働されている方、高熱や胃腸炎などをのぞき、日常の中で経口補水液が必要となる場面は少ないかと思います。

ほとんどの方は、エアコンの効いた部屋で過ごし、汗をかく量も少ないためです。

むしろ、汗を適度にかく習慣が大切です。(足湯、運動。その辺りはまた別の機会に)


夏はただでさえ消化力が落ちるので、冷たい飲み物に気をつけながら、余分な熱を溜め込まないようにぼちぼちいきましょう。

熱をリリースするための方法は、実は他にもいろいろとあります。

外出の際には、帽子・日傘・サングラスを。男性にも勧めたいところです。

冬瓜やきゅうり、スイカなど、熱を冷ましてくれる食べものも、暑い日にはすすめられます。


養生ヨガクラスでは、汗を出す運動ももちろんですが、暑い季節はゆったりと身体を開き、クールダウンする時間も多く作っていきます。

飲み物以外の養生法については、クラスや講座、個人セッションの中でまたお伝えしていきますね。


読んで下さり、ありがとうございました。


Jai Bhagwan🙏

養生ヨガ

Yoga & Ayurveda 身体と親しみ、自分らしく生きていくために

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