トゲが抜けた
ここのところ、イライラ、ザワザワ、モヤモヤしてました。
夏の疲れを感じていて、そのことには気付いていたんだけど、気付いていなかった(あとから分かった)、というお話しです。
昨日、月に一度、アーユルヴェーダの師匠のひとり、京都アーユルヴェーダmanjuの杉原愛子さんのアビヤンガを受ける日でした。
その施術が終わりmanjuを出たところで、
「あ。私、トゲが抜けた」
と一瞬で感じました。
昨日の京都は気温が高く日差しも強かったのですが、肌に触れるそよ風が涼しく、身体を撫でてくれているように感じたのです。
ここ10年ほど、私は風と火の人でした。
ヨガは変容(火)の儀式だと言いますが、本当にその通りで、
自分の中から湧き上がる恐れや、不安や、痛みなど
一見ネガティブに思えるものをひとつひとつ燃やしては、
ありたい自分に向かって変容を重ねることを、ずっと繰り返してきました。
(このことは、何らかの形で19日開催の特別クラスの中でもお話ししようと思っています)
それは、とてもとても豊かで、喜びに満ち、大切なことではあったのですが、
一方で、エネルギー切れを起こして倒れ込む寸前になることも多々ありました。
そんな私を深く深く癒やしてくれたのが、アーユルヴェーダ、
そして中でも、アビヤンガです。
身体の症状はともかくとして、皆さんはこんな風に感じること、ありませんか?
・自分の人生が他人事のように思える
・自分の存在が薄く感じる
・自分だけが頑張っているような気がする
・些細な問題が、とてつもなく大きな問題のように感じる
こんなとき、私たちは自分に言い聞かせます。
「こんな風に感じるのは、私に何かが不足しているからだ。
周りが私のことを理解してくれないからだ。
周りに理解されるにはどうしたら良いだろう、
分かってもらうにはどうしたら良いだろう。
もっと頑張らなきゃ。」というように。
思い当たること、ありませんか?
私も本当に「よく」そうなっていました。
なんで私はこんなにつらいのに、誰もそれを分かってくれないんだろう?と。。。
これを、私は【可哀想な私】と呼んでいます。
これが、「自分がやるんだ!」
という前向きなエネルギーになっている時はまだ良いのですが、
悲観に暮れて、周りのことを責めたりするエネルギーになっている時は、要注意です。
これが出てくるときは、とにかく疲れ過ぎている時なのです。。
身体も心も、枯渇しています。
アーユルヴェーダでいう、オージャスが足りない時。
最近はその可哀想な私が顔を出すことは減っていたのですが、、
ここ数日、それがむずむずと顔を出してきました・・。
そして、家族に
「私、与えることばっかりで疲れてる!」と伝えてふて寝して、
夢でもイライラしたりしていました。当然、眠りも浅いのです。
そして、家族もギスギスしていました。
こんなとき、ヨガをしたり瞑想したりすることももちろん大切だったりするんですが、
普段から養生ヨガクラスでお伝えしているように、
火が燃え盛りイライラしたり、失望したり、不安が強かったり、
感情が強く揺さぶられた状態のときに頑張って座ろうとしても、
なかなか高まったものはそれは静まってはくれません。
(これにはコツがありますが、また別のタイミングで書きます・・・)
ましてや身体が疲れて消耗しているので、運動は逆効果なこともあります。
こういうとき、役に立つ方法はいくつかあります。
・Noと言う
⇒これはとても大切!
前述しましたが、そんなときほど私たちは他人の評価を気にして、「頑張らなきゃ」と抱えきれないことまで抱えようとします。
そしてアップアップになりがち。それに気付きましょう。
できません。今は無理です。と伝える。それ、とっても大切。
・あたたかく、消化に優しいものを食べる
⇒そんなときほど、刺激の強いものが欲しくなりますが、そこはグッとこらえて、あたたかいスープを飲みましょう。特に、ギーを摂って欲しい。。
・人を頼る
・与えるより受け取る
⇒これこれ!
私は有り難いことに、素晴らしいアーユルヴェーダのセラピストさんたちとのご縁をいただきました。
それまで私は人に触れられることがそんなに得意ではなかったので、
マッサージにも行ったことがなかったのですが、信頼できるセラピストさんとの出逢いは本当に大切です。
こんな時は迷わず、アビヤンガの施術に行くことをお薦めします。
温かく、重く、柔らかいオイルが、乾いた皮膚に浸透してくる感覚。
滑らかな手つきで触れてもらう喜び。。。
横になっているだけで、安楽になっていく。
昨日、
「とにかくピッタ(火)が強くて・・・」
とつぶやいた私に、師匠の愛子さんは優しく手を尽くしてくださいました。
オイルはイエシティマドゥオイル。(甘草)
ギーで足裏を擦り、
もちろんたっぷりのローズウォーターのアイパック。
スチームはウシーラ(ベチバー)でふんわり、優しく、香りに包まれて。。。(これが泣けるほど良かった。発汗が不安だったから)
施術前の私の身体、なんだかとっても膨れていたんですが、
終わったら一回り小さくなり、軽くなりました。
そして、この記事の最初に書いたとおり、manjuを出て一歩歩いたところで、
「あ。トゲが抜けた」
と感じたんです。
それと同時に、
「あ。私、トゲが刺さっていたんだ。自分で自分にトゲを刺していたんだわ」
ということに気付いたのでした。
昨日は、我が家にお客様がいらして、私はアビヤンガのあと帰宅して少し休憩し、リクエストのアーユルヴェーダのカレーやおつまみを作ったりしたのですが、
「なんで私、こんなに大変なんだろう」
というザワザワした心は、嘘のように消えていました。
心から自分の仕事(おもてなし)ができて、お客様や家族が喜んでくれて、幸せを感じたのでした。
私のトゲが抜けたので、もちろん周りもハッピーです。
改めて、
自分自身が変わるだけで、世界は変わるのだ。
それだけ、自分をケアし大切にすることが、世界の平和に直結していることなのだ。。。
それは決してエゴではない。
自己犠牲ほど怖いものはないのだと・・しみじみ思います。。。
そんなお話しでした。
今回、私の心身にはアーユルヴェーダでいうピッタ(火と水)のドーシャが増えていたのでそれをケアしましたが、アビヤンガはヴァータ(風と空)のドーシャの鎮静を目的に行う施術です。
火と風の関係はとても面白く、冬場の火事のように、乾いた強い風は火を燃え上がらせるので、まず吹き荒れる風を鎮静することがとても大切なのです。
アビヤンガのことについて詳しく知りたい方は、
養生ヨガの個人セッションでセルフアビヤンガの実践を理論から丁寧にお伝えしています。
アーユルヴェーダの基礎的なことの全体が知りたい場合は、
アーユルヴェーダ基礎講座の第2期生をそろそろ募集し始めますので、ご検討いただければ幸いです。
また、アーユルヴェーダのこと、
お近くの素晴らしいアーユルヴェーダセラピストさんを知りたい場合、
アーユルヴェーダエブリデイというサイトで検索することをお薦めします。
適切なケアをされている信頼できるサロンさんが、たくさん紹介されています。
アビヤンガ後の身体はとても繊細になるので、とにかく家から近いサロンに通われることを絶対におすすめします。
帰り道に移動距離が長いと、それだけでせっかく整った身体の具合が悪くなることも、割とあるので。。(経験者)
特に、アビヤンガの施術に慣れていない方は、最寄りの場所を見つけて下さい。
自分のことを大切にするってなんだかわからない、という人は、ぜひぜひアビヤンガだけでも、淡々と続けてください。
それだけでも、やがて身体がそれを理解するでしょう。
大抵のことはそうですが、本当のことが分かるのって、いつも少しあとだったりするのです。
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